マッシュアップの作り方【第五回:20~30曲混ぜるマッシュアップの作り方】

こんにちは、HIMAGOです。

前回に引き続き、今回もマッシュアップについて書いていきます。

今回は、これまで紹介してきたものと趣向の異なる、何十曲も混ぜるマッシュアップについてお話していきます。

 

第一回:マッシュアップの作り方【第一回:マッシュアップとは何か/用意するもの】 - HIMAGOのブログ

第二回:マッシュアップの作り方【第二回:組み合わせの決め方】 - HIMAGOのブログ

第三回:マッシュアップの作り方【第三回:作り方その1:ボーカル用音源とオケ用音源を混ぜる】 - HIMAGOのブログ

第四回:マッシュアップの作り方【第四回:作り方その2:声ネタ、オケの調整】 - HIMAGOのブログ

第五回:20~30曲混ぜるマッシュアップの作り方 ←いまここ

 

※歌とオケを組み合わせる通常のマッシュアップについては、第一~四回の記事にて詳しく記載しておりますので、是非そちらをご覧になってください。

himago.hatenablog.com

 

 今回のテーマについてお話するに当たり、まずはこちらをお聴きください。

Shawn Wasabi - Marble Soda

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この曲は、既存曲を153曲マッシュアップさせたものです。マッシュアップというと、組み合わせや発想の一発勝負の面が強くて個性が出しにくいですが、この様に色々な曲を混ぜるマッシュアップは非常に個性が出ていてとても面白いです。

これまでのマッシュアップとは雰囲気が異なるため作るのが難しいと思われがちですが、やり方が分かれば作るのは意外とそこまで難しくありません。以下に私が制作した色々な曲を混ぜるマッシュアップを紹介します。

 

例:FUTURING GIFT(アイカツの楽曲を30曲マッシュアップしたもの)

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例:mixwater(Jersey Clubというジャンルの楽曲を24曲マッシュアップしたもの)

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一番最初の例の様に153曲という膨大な量を混ぜることは本当に難しいですが、20~30曲程度であればコツを掴めば何とかなります。

今回は、自己流で学んだ色々な曲を混ぜるマッシュアップの作り方について、8月31日にOMOIDE LABEL様よりリリースされました、マッシュアップに焦点を当てたアルバム『RESUBMIT』より、表題曲『RESUBMIT』を用いて紹介していきます。

 例:HIMAGO - RESUBMIT(56 songs mashup)

soundcloud.com

※下記リンクより0円から楽曲がDLできます。

omoidelabel.bandcamp.com

 

①テーマ、使用する楽曲を選ぶ

まずは、マッシュアップに使用する楽曲を用意します。この時、楽曲はなるべくたくさん用意してください。私の場合、30曲程度を混ぜるマッシュアップを制作する場合は、その倍の60曲程度を用意するようにしています。また、用意する楽曲は色んな好きな曲でも良いですし、ジャンルやコンテンツ縛りでも面白いです。

今回、私が最初に用意したのは下記楽曲です。

OMOIDE HOUSE | OMOIDE LABEL

Sphere | OMOIDE LABEL

POP AVENUE | OMOIDE LABEL

FUTURES | OMOIDE LABEL

Feel My Emotions | OMOIDE LABEL

Chocolat EP | OMOIDE LABEL

morning | OMOIDE LABEL

とける | OMOIDE LABEL

Suiren EP | OMOIDE LABEL

Stereoman Works ~Selected by YZOX~ | OMOIDE LABEL

 

②方向性及び主軸とする楽曲を考える

用意した楽曲を一通り聴いて、どんな形にするか考えていきます。

 

今回の場合、私はKouki Ishさんの『OMOIDE HOUSE』というアルバムがとても好きで、かつタイトルにOMOIDEというワードが入っているため、このアルバムを主軸にしたいと考えました。OMOIDE HOUSEの中で、メロの使い勝手が良さそうなOMOIDE HOUSE (tobokegao 2stepish chiptune remix) https://omoidelabel.bandcamp.com/track/omoide-house-tobokegao-2stepish-chiptune-remix を使用し、そのメロに合わせやすい曲を探しました。

 

用意した曲の中から、まずは恋愛サーキュレーション(stereoman remix) https://omoidelabel.bandcamp.com/track/stereoman-remix の間奏部分が良い感じにハマりそうだったので、こちらの楽曲を選びました。

そして、恋愛サーキュレーション(stereoman remix)がfuture bassっぽい雰囲気なので、その流れを汲めるような楽曲として、雰囲気が似ているyuigot - ORANGE 

https://omoidelabel.bandcamp.com/track/orange を選びました。このタイミングで、キーや方向性は固まりました。

 

また、私がOMOIDE LABELリリース楽曲の中で最も好きなnikoi0227さんのアルバム『Feel My Emotions』からも何か絶対に使いたいと思っていたので、ちょうど間奏部分が良い感じに使いやすそうなnikoi0227 - Feel My Emotions 

https://omoidelabel.bandcamp.com/track/feel-my-emotions を選びました。

 

この様に、あらかじめでも作りながらでも良いですが、何を主軸にするかを考えることが重要と私は考えます。(私は実際にDAWに音源を乗せて、こういう展開にするならこんな雰囲気の曲が必要だなと考えながら作業を行っています。)

そして、この時点である程度曲としての体裁が整います。

先ほど選びました4曲のみを使用した場合の曲はこちらです。

 

soundcloud.com

この時のDAWの様子は下記の感じです。

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赤:OMOIDE HOUSE (tobokegao 2stepish chiptune remix) 

橙:恋愛サーキュレーション(stereoman remix) 

青:ORANGE 

緑:Feel My Emotions 

 

③細かい隙間を埋める

56曲使用する曲ですが、まだ4曲しか使用していないのにほぼ完成しました。では残りの52曲はどこに使っているかというと、ドラムやFXとして活用しています。

ここからはひたすら色々な曲を聴いて使える部分を探していきます。今回の場合、①の工程で用意した楽曲では足りない部分があったので、追加で下記楽曲を用意しました。

Hello Hello Everyday | OMOIDE LABEL

Trash Toys Dream | OMOIDE LABEL

Stereoman Works ~Selected by Mental Health Care~ | OMOIDE LABEL

YOUR SOUND | OMOIDE LABEL

Rafflesia | OMOIDE LABEL

[OMOIDE SIDE] OMOIDE LABEL×NON STOP NXC | OMOIDE LABEL

インターフェイスの確率 EP | OMOIDE LABEL

Sunset​ | OMOIDE LABEL

one hour a day EP | OMOIDE LABEL

Juke Chips EP | OMOIDE LABEL

REACTOR EP | OMOIDE LABEL

CHEAPTECH Vol.2 | OMOIDE LABEL

Oriental | OMOIDE LABEL

すてきなしんせさいざー | OMOIDE LABEL

tokyo.sora EP | OMOIDE LABEL

ゆめとゆううつ | OMOIDE LABEL

LOST | OMOIDE LABEL

lumina EP(Omoide Edition) | OMOIDE LABEL

はじめてのJuke | OMOIDE LABEL

usobuki remixes / 嘯 | OMOIDE LABEL

Planet EP | OMOIDE LABEL

Torii ep | OMOIDE LABEL

RESUBMIT | OMOIDE LABEL

 

ドラム、FX等で使用した楽曲のみの曲がこちらとなります。

soundcloud.com

そして、メインで使用した4曲及び、FX等に使用した52曲を足すことで、RESUBMITが完成となります。

 

色々な曲を混ぜるというと、すべてを有効的に使わないといけない、と思われがちですが、今回の例では4曲がメインであったりと本当に必要な曲は意外と少ないです。

 

全五回に渡りマッシュアップの作り方や組み合わせ、応用テクニックについてお話していきました。長い間お付き合い頂き、ありがとうございます。

最後になりますが、音楽を趣味にしたいけど曲の作り方が分からない方や音楽理論が分からない方は大勢いると思います。私自身、よく分かっていません。しかし、マッシュアップはコツを掴めばなんとかなるジャンルです。是非ともみなさん挑戦してみてください。

 

マッシュアップは本来著作権的に危ないものです。しかし作曲者や関係者の方々の恩情で見逃してくださっているのが現状です。その点を忘れず、リスペクトを持って趣味の範囲で楽しむようお願いします