【Kindle Unlimited】2023年1月に読んだ本

こんにちは、HIMAGOです。

 

皆さんはやっていますか、読書。私はあんまりやっていません。

このブログでは定期的にアイドルマスターシャイニーカラーズや音楽に関することを記事にしていますが、それらを書く時に毎回、もう少し胸を打つ良い表現をしたいなとか、もっと伝わりやすい書き方を目指したいなと感じます。

そして、それを達成するためには一にも二にも読書が大事なのかなと思います。最近だと、宇多田ヒカルもライブで「思いを伝えるのが苦手です。どうしたらいいでしょうか?」という感じの質問に対し、「本はどのくらい読んでる?アウトプットするには良いインプットから。」と答えていたのが印象的で、表現力を培うにはやはりインプットを増やすことが大事です。

 

そんな訳でインプットを増やそうと思ったのですが、折角なら記事に出来るようなコンセプトを持たせたいので、Kindle Unlimitedに加入して、そこに絞って読書をしていきます。

Kindle Unlimitedは月額980円で200万冊以上が読み放題になるサービスですが、余りにも本の数が多くて何を読んだらいいか分からないし、「Kindle Unlimited おすすめ」とかで検索してもビジネス書が目立ってあまり読みたいなと思える本が見つからないという方も多いかもしれません。そんな方向けに、ビジネス書はあんまり好きじゃない私が読んだ本を紹介したいなと思います。

インプットを増やしたいというのは2023年の目標なので、まずは1年間、毎月4冊前後の読書をして、その本の感想を月末に書いていこうと思います。

 

 

叶恭子 - トリオリズム

叶姉妹の姉のエッセイ本。内容は6割セックス3割セレブのぶっとび生活1割人生の哲学という感じです。

 

カジノでの遊び方やクリスマスのプレゼントの話、全裸で仮面だけ付ける舞踏会など、どれも庶民の日常とかけ離れたエピソードばかりで飽きませんが、そんな中でも恭子さんの美的感覚が光る「日本では卑猥とセクシーの線引きが曖昧だけど、セクシーは精神的な策略のもとに女性としての魅力を最大限にアピールするインテリジェンスな表現」という一文はとても良いなと思いました。


また、海外の男性が女性のお尻や太ももの筋肉を重要視することについて、恭子さんは「良いマッスルを持った女性でないと良いセックスが出来ない。女性を見る時、彼ら(海外の男性)は膣の締め具合を想像するが、それが日本人との大きな違いのように思える。」と言っていて、ブラジルとかの人のお尻クソデカアピールが個人的に長年の疑問だったけど、それに対するすごくしっくりくる回答でした。

 

あと、今月は初めてお会いする方が多かったですが、そんな人たちとの雑談で「最近本読むようになったんすよね~」と言って恭子さんの本を見せたら特に女性の反応は良かったので、叶姉妹パワーは凄いなぁとなりました。

 

 

②松野明美 - いちばんじゃなくて、いいんだね。

元マラソンランナーの松野明美さんの、マラソンランナーとしての歩みとダウン症を持った次男の子育ての歩みを描いたエッセイ本。

 

ダウン症のことをあまり詳しく知らなかったのですが、どの世界やどの時代、どの地域でも1000件に1,2件の割合で生まれてくる障がいのようです。そういうことを聞くと、言い方が適しているか分からないですが、働きアリの法則のような感じで、ダウン症は人間が繁栄していくうえで欠かせないもののような感じがしますね。

 

この本の中で、松野さんはダウン症そしてその影響で心臓病も患っている子どもを産んだことに対して「なんで私を選んで生まれてきてしまったの?ほかの人を選んでくれたらよかったのに。でも生きて欲しい。今日も明日も明後日も。死んじゃいや。ずっと未来まで生きていてほしい。」と述べますが、本当に複雑な、けど親としての素直な気持ちが胸に刺さります。

そんな気持ちを持っている松野さんでしたが、子育てを経て今までのマラソンで培った一番を目指す生き方から、タイトルにもあるように一番じゃなく自分のペースで生きる道を見つけていきます。

これまでの松野さんの生き方は周りに弱みを見せず一番になるために努力することを惜しまないストイックすぎる生き方をされていましたが、そんな生き方が柔軟な方向に変わったのは良かったなぁと、子育てを通じて親も成長していくんだなぁと読んでいて強く感じました。

 

私の好きな本に、木下龍也さんの『あなたのための短歌集』という本があり、その中で「自分の子が欲しいと思うようになりましたが、こんな世界に生まれた子は幸せになれるのだろうかと悩むときもあります。」というお題に対し、「いじわるな星だとしても母さんがそこにいるなら生まれてみるよ」という短歌を詠まれていました。

この短歌がとても好きでずっと覚えており、この本を読んだ時に、ダウン症という1000件に1,2件というとても少ない割合ですが、きっと松野さんを選んで生まれてきたんだろうなと感じるくらい良いエッセイでした。

 

 

 

シェリー・ケーガン - 「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義

講義室の机の上であぐらを組んでいる表紙が印象的なあの本です。書店やら何やらで見かけてはいたもののきっかけが全く無かったので、これを機に読んでみました。

 

内容としては、どうなったら死となるのか、なぜ死が悪いのか、永遠に生きられるのは良いことなのかといった事について色々な面から検討していく本となっており、冒頭で「私の考えを伝える」と書いてあり、それが正解かどうかは置いといてこの先生が考える死について検討した内容を伝えるものとなっています。

 

論理系の本をあんまり読まないからだけど、死に対する仮説を述べておぉ、これ確かにそうだ!!!と思っても直後に「私はそうは思わない」と続くことが多々あり、なんやねんコイツとなることが結構ありました。色々な仮説を立てて一つ一つ潰していくことは大切だとは思いつつも、よくあるビジネス書のような感じで素早く要点だけを得たい欲を持っていると、ここらへんにもどかしさを感じてしまうかもしれません。ビジネス書はあんまり読まないと思っていたけど、知らず知らずにそういう書物に適合させられていたのかもなぁと、この本のテーマと全く違うところで変に内省していました。

 

私は死にたいとはあんまり思わないですが、NPC化したいなとはよく思います。例を出すと下校時刻の哲学的ゾンビみたいな感じです。考えたり悩んだりするから苦しめられるので、そういったものから解き放たれたいという思いがすごくあります。この本で言うところのP機能(認知機能)の永久の停止です。痛いのは嫌だし自分がいなくなって誰かが悲しむのも嫌なので、都合よく自我だけ喪失したいですね。

 

omocoro.jp

 

 

④森 政弘、上出 寛子 - ロボット工学と仏教 AI時代の科学の限界と可能性

その名前の通り、ロボット工学と仏教に関する本です。この本を書かれた森さんはあの有名な「不気味の谷現象」を提唱したり、ロボコン創始者だったりします。Kindle Unlimitedなので無料で読めますが、面白すぎるので書籍で買いました。

 

タイトルからして難しい本だと思われがちですが、内容は森さんと上出さんのロボット工学や仏教に関するメールのやり取りを乗せたものになっています。

上出さんの学会や色々な場面での悩みや研究について、森さんが仏教の観点からアドバイスしていく、という流れになっており、こういう難しいテーマの本はフォーマットを全部これに統一して欲しいと思うくらい読みやすいです。

恐らくちょっと前に『無意識と対話する方法』という、同じような2名のやり取りを載せた本を読んだのですが、その本が凄く読みにくくて結構早めに脱落したのが記憶に残っているから、その落差でそう感じているだけかもしれません。

 

仏教についてはあまり詳しくなかったのですが、「仏教は宗教というよりも、現象をできるだけ謙虚に正確に把握しようとする、理論的な営み」と書いてあったのは印象的でした。その考えを持つことで、三性の理という様々な価値に関する現象を説明できる論理も身につくようになるのだなと思いました。三性の理について気になった方は、この本の中に詳しく書かれているので、是非読んでみてください。

 

また、茶道や華道みたいなものについては作法が決まっているけど、ロボットを扱うのにも作法がある、というのは全然自分が持っていなかった視点でした。

ユーザーがロボットの扱いという技術的作法に自覚的になるのは一見難しそうですが、例として「ヒューズやブレーカーは、気にも止めずに使いたい放題に電気を取り出すのではなく、これならばヒューズは飛ばないという意識をもって電気を使うのが作法の一つ」と書かれており、確かに知らず知らずのうちに自分たちの日常生活の中にも技術的作法が身についている場面がありました。

 

近年ではIoTやAIイラストといった様々な新しい技術が発展していますが、技術が余りにも先行しすぎていると多くの人が感じていることと思います。そんな時こそ、技術だけでなく、技術を扱う作法も同時に導入する必要があり、それは誰かに任せるようなことではなく、開発者も考えるべき課題だなと思いました。

 

 

以上が今月読んだ本の感想になります。気になった方は是非kindle unlimitedに登録して読んでみてください。